特定の果物や生野菜を食べた際に、口の中で刺激やかゆみ、喉の奥が詰まるような感じしたことはありませんか? それは口腔アレルギー症候群と言われる症状で、花粉症が関係しているかもしれません。
口腔アレルギー症候群の症状
果物や生野菜を食べた直後(おおむね15分以内)に唇、舌、口の中や喉など、口の周辺にかゆみやしびれ、むくみなどの、様々な症状があらわれることがあります。
それが口腔アレルギー症候群(OAS)と呼ばれるものです。なかには、アナフィラキシーショックと呼ばれるショック症状を起こすこともあります。
このような症状があらわれても、多くは食後しばらくすると自然に元に戻ります。
また、口腔アレルギー症候群を発症しやすい体質の人は、口内炎にもなりやすいと言われています。
症状を起こす原因
口腔アレルギー症候群は、果物や生野菜に含まれるアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応で、体内のIgE抗体(アレルギー物質に対する抗体)が関係しています。
症状を引き起こすアレルゲンは、植物が病原菌の感染や傷害、ストレスから身を守るための防御として分泌されるタンパク質です。
このアレルゲンは小腸に到達する前に壊れるため、主に口の中だけで反応が起きます。
花粉症と口腔アレルギー症候群の関係は?
花粉症の方には花粉のアレルゲンに対するIgE抗体があります。
生野菜や果物のアレルゲンは花粉のアレルゲンと構造が似ているので、IgE抗体が構造の似たアレルゲンと反応し、口腔内でもアレルギーが起こることがあります。
これを「交差反応」と言います。この交差反応により、花粉症の方が生野菜や果物を食べた際に口腔アレルギー症候群が発症することがあります。
花粉症との合併比率
・シラカンバやオオバヤシャブシの花粉症患者・・・20%
・スギ花粉症患者・・・7~17%出典:食物アレルギー診療ガイドライン2012
口腔アレルギー症候群への対策
花粉症で口の中に症状が出る場合は、医療機関を受診し、アレルギーの原因となる食物を特定し、摂取しないように避けるのが基本です。
ただ、口腔アレルギーを起こす果物や生野菜のアレルゲンは熱に弱く、加熱すれば食べることができることもあります。
症状のあらわれ方にもよりますので、お医者さんに相談してみましょう。
口腔アレルギー症候群は病院の何科で診てもらえばいいのか?
口腔アレルギー症候群とは植物性の食べ物を口に入れた時にアレルギーを起こしてしまうことを指します。
病院で診てもらう時に何科を受診していいのかわからないという方は、お子様の場合は小児科か耳鼻科、大人の場合は耳鼻科や内科で診てもらうのが一般的です。
花粉症ではない人にも起こる!?
口腔アレルギー症候群は、花粉症以外のアレルギーをお持ちの方にも起こります。
下記に当てはまる方で、症状があらわれた場合は医療機関でみてもらいましょう。
●気管支喘息の既往のある人
●薬剤アレルギーの人
●即時型食物アレルギーの既往がある人
●ゴム手袋過敏症のある人