ヒノキは高さ約30~40mまで成長し、本州は福島以南から九州・屋久島まで分布している常緑高木です。天然林もありますが、ほとんどは植樹による人工林です。
ヒノキ花粉症の飛散時期
ヒノキ花粉は主に3~5月にかけて飛散し、またヒノキはスギと同じく日本特有の植物です。
スギ花粉症とヒノキ花粉症は飛散時期が重なるので、混同しやすく、またヒノキ花粉症患者の約70%の方がスギ花粉症患者でもあるといわれており、あわせてスギ・ヒノキ花粉症とも呼ばれています。
スギ花粉とヒノキ花粉は含まれている糖タンパクの構造がよく似ているので、ヒノキ花粉だけに症状を起こす患者さんは非常に少ないようです。
ヒノキ花粉症は今後増えてくる?
現在日本の国土の7割を占める森林面積は約2500万ヘクタール。その内、人工林が約1000万ヘクタールです。その人口林の内44%(全森林面積では18%)がスギ、24%(全森林面積では10%)がヒノキで占めています。
現在スギの植林は行われていませんが、ヒノキの植林は現在も行われています。
ヒノキ花粉は、樹齢20年を超えると花粉の生産量が高まるといわれています。
ヒノキ花粉の飛散量は昭和40年代はわずかでしたが、その後の20年ほどの間に3倍以上に増えました。
スギの植林は昭和25年の第1回植樹祭を契機に5~6年で集中的に行われました。この時のスギが現在樹齢60年ほどを迎え壮年期になっていますが、ヒノキはスギ植林の後の昭和30年代に集中的に植林されました。
これが現在樹勢の上で青壮年期にさしかかっているものと思われます。近年の比較では、ヒノキの植生数がスギの植生数に匹敵しつつあり、今後ヒノキ花粉で花粉症を発症される方が増えてくるものと予想されています。
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